体を暖める基本は「頭寒足熱」と言われています。つまり、足元を暖めて頭は暖めないのが理想の暖房なのですが、
床暖房はこれにかなった暖房と言えるのではないでしょうか。
エアコンやストーブ、ファンヒーターは、空気を対流させ暖かい空気と冷たい空気を混ぜ合わせて、部屋の温度を上げる方式です。
部屋全体が暖まるので一見よさそうに見えますが、床が冷たいので足元が冷えるため、体が暖まっても足先が冷たいと芯から暖まった気がしないという難点があります。
実は、従来の暖房にありがちな、この問題を解消したのが床暖房なのです。
さらに、床暖房が一番支持される理由は、安全だからではないでしょうか。
火を使わないので安全な上に、水蒸気が発生しないので結露しにくいのも、床暖房の特徴です。
エアコンのメリットは、冬の暖房だけでなく、夏は冷房としても使える点です。ランニングコストは、基本的に床暖房のほうが安いのですが、最近の省エネタイプのエアコンのランニングコストもかなり安くなっています。エアコンの難点は、空気を対流させるために、床のほこりが舞い上がってハウスダストや花粉症をさらに悪化させる可能性があることです。
さらに、温風が対流するため体の表面が乾燥したり、体の水分を奪われるという健康上の問題もあります。特に乳幼児や高齢者、病気などで体が弱っている人は、気をつけなければなりません。それに比べて床暖房は、空気が汚れず安全なので高齢者や子供でも安全に扱うことができます。
床暖房ぽからは、火を使わないので空気が汚れません。そのため、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者、喘息などの呼吸器系の疾患のある人でも安心して使うことができます。火を使うファンヒーターやストーブと違って換気の必要もないため、暖かい空気を外に逃がして寒気を部屋に入れるという、熱エネルギーの損失もありません。
床暖房は空気も汚さず乾燥もしない快適な暖房です。この床暖房には、大きく分けて温水式と電気式があります。
どちらも床全体が暖かくなり、足元からポカポカするのは同じですが、発熱する仕組みに違いがあります。
床に敷いた温水パネルに、電気やガスで温めた温水を通して発熱します。配管工事が必要なため、リフォーム時には、床高を調整する必要があるため、新築時に導入する方が多いようです。電気式床暖房に比べて工事がやや大掛かりになるので、設置費用は少し高めになります。配管の耐用年数は30年以上ありますが、定期的に不凍液を補充するなどのメンテナンスが必要です。
床下に敷いた発熱体に、電気を通して暖めるものです。構造はいたって簡単で、施工もしやすくリフォームのタイミングに合わせて設置することも容易なので、費用も安く上がります。一度設置するとほぼメンテナンスの必要はなく、耐用年数も長いのが特徴です。
エアコンなどのように、暖まった空気が上昇しないので、足元が冷えず体の芯から暖まります。耐用年数が長く基本的にメンテナンスが不要なのと、空気が汚れず静かで場所を取らないのも、大きなメリットと言えるでしょう。さらに、火を使わず安全なので、高齢者や子供でも危険もなく扱うことができます。
また、ファンヒーターのように外に排気することもないので、臭いで迷惑をかけることもありません。また、床暖房にすると、自然と家族がひとつの場所に集まりやすいという、副次的な効果も期待できます。