ここ数年、以前に比べて中古住宅の人気が高まっています。
ロケーション等を考えると新築よりも中古の方が生活が便利などという理由もあり、以前よりも中古住宅に目を向ける人が増えました。
ただ、購入するにあたってはほとんどの場合、リフォームが必要になることが多いと思います。
理想の生活を実現するためのリフォームは楽しい体験ではありますが、チェックしておきたいポイントがいくつかあります。
中古住宅をリフォームするにあたって後悔しないためのポイントを、一年の半分を床下で過ごす(?笑)床暖房の専門家の視点でまとめてみたいと思います。
Contents
外からではわかりづらいですが、骨組みや柱が傷んでいるような場合は、新築よりもかえって費用がかかってしまうことがあります。
住宅診断(ホームインスペクション)専門の業者に診断を依頼できればベストですが、
どうしても確認ができない場合は、リフォーム時にもしも傷んでいた場合に備えて、修繕予算をある程度確保しておく必要もあるかもしれません。
構造材の劣化は、床下の湿気が原因であることが多いものです。
洗面所などにある床下点検口から覗いてみて、湿気を感じたら構造材が劣化している可能性があります。
また、水回り、とくに浴室の防水シールにひびが入っていたりする場合は、浴室まわりの構造材が湿気によって傷んでいる可能性があります。
屋根や外壁が劣化していると、建物内に雨水が侵入している可能性があります。
チェックは少し難しいですが、室内の壁にカビや黒ずみがある場合は要注意です。
壁紙が貼られていない押し入れの中などはとくにチェックポイントです。
シロアリ被害のチェックもプロでなければ難しいものですが、
床下点検口から覗いてみたり、また建物の基礎の部分にシロアリが通った跡がないかを確認することができます。
建物の傾きの原因は主に2種類あります。
構造材の老朽化によるものと地盤沈下です。
建物の基礎や壁にひびが入っていたり、基礎と地面の間に隙間がある場合は、地盤沈下している可能性があります。
また、ビー玉はもちろんですが、建物内を素足で歩いてみて違和感を感じないかというような感覚も重要です。
配管の傷みは、あとからその部分だけを修繕することが難しいので、最初のリフォーム時にケアしておけると、あとが安心です。
とくにマンションの場合は共用部の配管が傷んでいることがあり、その場合は物件の購入自体を慎重に検討する必要もあるかもしれません。
耐震性については、建築基準法が改正されるたびに良くなっているので、いつ建てられたかが重要であることは言うまでもありません。
またそれとは別に、住宅メーカーによっても耐震性能は異なるので、購入しようとしている物件の耐震性がどのレベルなのかを知っておくことは重要です。
壁を剥がしたりというような作業が伴うリフォーム時は、コスト的に考えても、耐震性を強化するチャンスと考えることができます。
住宅は購入したからといって必ずしも自分の好きなようにリフォームができるとは限りません。
例えば1階から2階に通しで壁や柱などがある場合は、家の構造上それらを取り外すことはできません。
間取りの変更は、在来工法の木造では難しくありませんが、
鉄筋コンクリートや木造でもツーバイフォーの場合は、壁自体が建物を支える構造材となっているため、間取りの変更ができない場合があります。
リビングと和室をつなげたい、洋室を2つつなげて大きな部屋にしたい、大幅に間取りを変更したいというような場合は、物件購入前に可能かどうかを確認しておく必要があります。
構造のほかに、法的な理由で、好きなようにリフォームができないケースもあります。
とくに増築には注意が必要で、建蔽率や容積率が規定をオーバーする場合には、増築はできません。
二世帯住宅にしたいなど、増築を前提とした購入の場合は確認が必要です。
意外にも忘れがちなのが、暖房計画です。
せっかくリフォームするのだから、快適な居住空間を目指したいものです。
筆者ならまず、快適性の根本となる断熱性能を上げることを考えます。
それから快適性やランニングコストを考慮しながら、使う暖房器具を選びます。
断熱材をグレードアップしたり床暖房をいれるというようなリフォームはあとからでは難しいので、しっかりと計画に含めておくことが大切です。
中古住宅のリフォームは、物件を購入する前が肝心です。
ただ上記に書いたようなことを自分だけで行うのは難しいものです。
おすすめは、購入前にホームインスペクターとリフォーム業者をあらかじめ選定しておくことです。
上に書いたようなポイントが「購入前」に解決できていれば、理想の生活を実現するためのリフォームを楽しむことができます。
リフォーム済み物件は、見た目が綺麗にリフォームされているのでつい「中身も大丈夫だろう」と考えてしまいがちです。
しかし、あくまでも中古物件なので上記のようなポイントがすべてクリアされているとは限らない、という視点を持つことが大切です。
逆に、まだリフォームされていない物件は、自分で確認しながらリフォームを進められるというメリットがあります。
建物を表面的に綺麗に見えるようにリフォームをすることは難しいことではないし、安価な方法もたくさんあります。
逆に、難しかったり本当に費用がかかるのは、構造にかかわる部分です。
あとから後悔しないためには、見た目の綺麗さや利便性の前に、上記のようなリスクにできるだけ対処しておくことが大切です。
見た目の部分については、住みながら時間をかけて好みのカタチにしていくというのも、最近では珍しくない価値観のようです。
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